三木金物の歴史

三木金物の歴史

三木金物の始まりは、従来の倭鍛冶の系統と550年頃大陸から渡来した百済の聖明王の王子恵とともに、帰化された人たちによる韓鍛冶の系統とが合流して基礎ができたのが始まりといわれています。これが鍛冶のまち三木の基礎です。

別所長治

戦国武将 別所長治(1558~1580)

播磨の国(現在の兵庫県)の三木城の城主であったひとです。父、長勝の死により13歳で家督を継ぎます。その時の天下人有力候補であった織田信長に反旗を挙げた人で有名です。
中国攻略の総大将であった羽柴秀吉(のちの豊臣秀吉)の篭城戦(干殺し)により2年の篭城の末落城、その時城内は異臭を放つ餓死者がそこらじゅう転がり、まさに地獄絵図のようだったそうです。
別所一族は落城前に最後の宴を催し、1580年1月18日、一族すべて自害しました。その時長治享年29歳だったそうです。
それと同時に城兵8000人全員の命は助けられました。

辞世の句
今はたゞうらみもあらず
諸人のいのちに
かはる我が身と思えば

(訳:今となっては誰も恨むことはない。私の命が城兵たちの命の身代わりになると思えば。)

秀吉と三木

 秀吉が三木城主、別所長治との戦いで、寺も古い街並みも文化の足跡を焼き払い、町そのものが無くなりました。
しかし秀吉は、それ以後の三木のために大きな功績を残します。秀吉の復興事業が新しい三木づくりの原点となり、金物のまち三木は、この時から本格的に培われてきたとも言えるのです。復旧のため各地から大工職人が集まり、彼等に必要な大工道具をつくる鍛冶職人が増え、これが現在の発展につながる足がかりとなったのです。

三木の繁栄

 町の復興が一段落すると大工職人は出稼ぎをすることになり、先で評判になったのが持って行った大工道具です。つぎに行く時は品物を持って行って売りさばき、ますます評判になっていきます。江戸時代後半の19世紀に入ると鋸、鉋、鑿などのほかに庖丁、剃刃、鋏などの刃物や曲尺、やすりなどと生産品目も多くなりました。
こうして鍛冶が発展して来ますと出稼ぎの大工だけに頼っていては販売が追いつきません。宝暦年間(1751~1764)には、材料の仕入れと製品の販売に当たる仲買人が生まれたのです。仲買人は、やがて大きくなり仲買問屋へと発展しました。寛政4年(1792)に「作屋」など5軒が仲買仲間を結成、運営していったそうです。
三木金物は、はじめ大阪の商人によって発展、大阪を中心の市場でしたが、享和3年(1803)に江戸の炭屋七右衛門(現在も金物商社)から引合いがあり、翌4年から取引きが始まっています。こうして江戸との直接取引が始まると、三木金物が全国に広がっていく基礎ができたのです。

現在の三木金物

 明治維新になり、三木金物は更なる変化を遂げていきます。明治13年頃から輸入されだした洋鉄、洋鋼が使用され、製造工程の合理化で量産が可能となったからです。このため東京、大阪の金物仲買問屋だけではさばききれず直接各地方へ出張販売することになり本格的に全国へ広がっていきました。また、大工道具の域を脱して西洋道工具も生産するようになり、国外の輸出も増えていきます。
第二次世界大戦後、荒廃した国土の復興の中でも三木金物が活躍します。復興事業をするなかで道工具が必要となり、三木金物の需要が急増したからです。
一方戦前の3倍以上にも増えた地元問屋も、それぞれの販売組織を確立して新しい経済秩序をつくり、全三木金物卸商協同組合がつくられました。
現在、伝統的な大工道具をはじめ、近代的な金物製品を生産販売する我国屈指の金物産地として日本だけでなく全世界で有名な産地まで発展しております。私たちの暮らしの中で欠かせない三木金物、今後も更なる進歩を遂げていくでしょう。
参考資料 (三木市金物資料館資料・三木工業協同組合青年部資料より)

  • 治公没400年祭記念碑

    治公没400年祭記念碑

  • 三木城包囲の秀吉軍武将配置

    秀吉の三木城攻めでの包囲網

  • 別所長治像

    三木城跡にある別所長治像

  • 歌碑

    長治公辞世の歌碑

 
金物鷲

金物鷲

三木金物製品の鋸、包丁、ナイフ、ギムネ、鉈、手鈎、など総数として3329点を使用している。
1.5トン、翼長5m、高さ3.2mもある巨大なものであり、 三木金物のシンボルです。

詳しくは、
三木工業協同組合 青年部ホームページ
金物鷲コーナ』まで

かなもんジャー

金物戦隊『かなもんジャー』

2010年10月頃に彗星のごとく現れた、今までのご当地キャラにはない、シュールな戦隊『かなもんジャー』です。
三木市工業協同組合青年部が苦心の末、編み出した最高傑作?のキャラクターを紹介。

詳しくは
・みきかじや村『金物戦隊かなもんジャー』コーナー
・三木工業協同組合 青年部HP『活動報告』コーナー

三木市立金物資料館

三木市立金物資料館のご案内

木工道具(鋸・鑿・鉋・鏝・小刀)を収集し、保存・展示しております。また、ビデオコーナーでは金物に関する動画をご覧になることができます。

三木市立金物資料館 入塲料 無料
所在地:〒673-0432 兵庫県三木市上の丸町5番地43号 TEL:0794-83-1780 FAX:0794-83-1780
開館/午前10:00~午後5:00
休館/月曜日(月曜日が祝日の場合その翌日休館)、年末年始(12月29日~1月3日)
※三木市立金物資料館についてはこちら

古式鍛錬保存会

古式鍛錬保存会のご案内

毎月第一日曜日(午前10時~午後1時まで)三木市立金物資料館の横、古式鍛錬場にて三木金物古式鍛錬技術保存会による古式鍛錬がおこなわれます。
見学は無料。体験もできますので是非ご来場下さい。
(但し、6月〜9月は9時~12時まで。11月ふいご祭りは8時30分~9時までとなります。)

※古式鍛錬技術保存会についてはこちら

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